DreamCore の創業者に、プロダクトの思想や将来のビジョンについて話を聞きました。
ゲーム開発の民主化を目指して
── まず、DreamCore のミッションを教えてください。
「夢をゲームにする」。これが私たちのミッションです。
ゲーム開発って、これまでずっと特別なスキルを持った人だけのものでした。プログラミングができないと無理、高性能な PC がないと無理、開発環境を整えられないと無理。でも、それって本当にそうあるべきなんでしょうか?
── 確かに、ゲームを作りたいと思っても、ハードルが高いですよね。
そうなんです。だから DreamCore では、「話すだけ」でゲームが作れる体験を目指しています。プログラミング経験ゼロの人でも、高性能な PC を持っていない人でも、開発環境を整えられない地域の人でも。ブラウザさえあれば、誰でもゲームクリエイターになれる。そんな世界を作りたいんです。
DreamCoreを始めたきっかけ
── そもそも、DreamCore を作ろうと思ったきっかけは?
以前、フォートナイトや Roblox などの UGC ゲームプラットフォーム向けにゲームを作る Studio を経営していたんです。そこで、ゲームプラットフォームの可能性をすごく感じていました。
そこに AI が出てきた。これでAI ネイティブなプラットフォームが作れると思ったんです。「ゲーム版 TikTok」のような存在を作りたい。そう考えていました。
「ゲームのプリクラ化」への気づき
── 「ゲームのプリクラ化」という考えは、どこから来たんですか?
元スクウェア・エニックス社長の和田洋一さんとの雑談がきっかけです。
DreamCore を見せたり、いろんなゲームやテクノロジーの話をしていたときに、和田さんが「TikTok はプリクラなんだ」という話をされたんです。
── TikTok がプリクラ?
そう。プリクラが写真を「撮られるもの」から「コミュニケーションツール」に変えたように、TikTok も動画をそうした。その話を聞いて、ハッとしたんです。
あ、それなら DreamCore は**「ゲーム版プリクラ」になれる。ゲームを作ること自体がコミュニケーションになる。これが私たちのコアバリュー**なんだと。
── その気づきは、すぐに腹落ちしましたか?
腹落ちしつつも、時間が経つほどにじわじわと深まっていきました。
完成された高品質なゲームを作ることより、ゲームを作ること自体がユーザー同士のコミュニケーションになる。そういう世界観が、どんどんクリアになっていったんです。
単なるツールではなく、クリエイターの味方
── DreamCore は「クリエイター支援」を掲げていますが、具体的にはどういうことでしょう?
私たちは単なるツール提供者ではありません。クリエイターの味方でありたいんです。
技術的なハードルを取り除く。収益化の機会を提供する。コミュニティで成長を支援する。この3つを軸に、クリエイターが本当に作りたいものを作れる環境を整えていきたい。
── どんなユーザーを想定していますか?
幅広いですね。プログラミング経験ゼロだけどゲームを作ってみたい完全な初心者。週末にちょっとゲームを作りたい趣味の開発者。プロトタイピングや新しいアイデアの検証に使いたいプロのクリエイター。ゲーム作りを通じてプログラミングに触れたい子供や学生。そして、高性能 PC がなくてもブラウザさえあればいい、新興国のクリエイター。
全員に共通しているのは、「何かを作りたい」という想い。その想いを形にする手助けをしたいんです。
「大作」より「完成した小さなゲーム」
── DreamCore で作られるゲームの特徴は?
大作を作ることよりも、**「完成した小さなゲーム」**を重視しています。
30秒で遊べる。複雑なチュートリアル不要。ルールがわかりやすくて、直感的に遊び方がわかる。でも、ユニークなアイデアで個性が光る。そういうゲームが DreamCore にはたくさん生まれてほしい。
── なぜ「小さなゲーム」なんでしょう?
完成することが大事だからです。大作を目指して途中で挫折するより、小さくても完成させて公開する方がずっと価値がある。完成させた経験が自信になり、次の作品につながる。そういうポジティブなサイクルを作りたいんです。
そしてもう一つ大事なのが、私たちは**「ゲームのプリクラ化」**を目指しているということ。完成された高品質なゲームを作ることよりも、ゲームを作ること自体がコミュニケーションになる。そういう世界観なんです。
ゲームの「プリクラ化」とは
── 「ゲームのプリクラ化」、もう少し詳しく教えてください。
プリクラって、写真を「撮られるもの」から「コミュニケーションツール」に変えましたよね。友達と一緒に撮って、デコって、シェアして。写真を撮ること自体が楽しみになった。
DreamCore は、ゲームを「遊ぶもの」から**「作るもの」**に変えたい。ゲームを作ること自体がコミュニケーションになる。友達にシェアしたり、誰かの作品を Remix したり。ゲーム作りがコミュニケーションの新しい形になる世界を目指しています。
── 特定の機能を真似るというより、概念としての話ですね。
そうです。プリクラの「落書き機能」を真似るとかじゃないんです。プリクラが「写真を撮る」という行為をコミュニケーションに変えたように、DreamCore は「ゲームを作る」という行為をコミュニケーションに変えたい。
── この変化の本質は何だと思いますか?
4つあると思います。表現の民主化、気軽さ、つながり、自己開示。
誰でも作り手になれる。完璧じゃなくていい、楽しければいい。作ることで人と繋がれる。そして、自分を表現して、理解してもらえる。これがゲームのプリクラ化の本質です。
息子との体験
── 「ゲームを作ることがコミュニケーションになる」という体験、もうされていますか?
はい。息子のアイデアでゲームを作ったんです。
── どんなゲームを?
アクションゲームです。息子はまだ小学生なんですが、「こういうゲームがいい」と言ってきて。それを目の前で形にしていったら、自分のアイデアがゲームになっていくのを見て、すごく喜んでくれた。
── その反応を見て、どう感じましたか?
嬉しかった。そして確信した。驚きもありました。
── 確信したのは、何を?
いろいろです。DreamCore の価値。ゲームが持つ力。子供だってクリエイターになれるという可能性。そして、自分が進むべき道。
── 驚いたのは?
子供の反応の大きさ。こんなに簡単に作れたこと。そしてゲームをきっかけに会話が生まれたこと。
正直、自分自身がこんなに嬉しいとは思わなかった。それも驚きでした。
「盛れる」とは「自分のIP化」
── プリクラは「盛れる」ことが大事ですよね。ゲームにおける「盛れる」とは?
プリクラや TikTok が行ってきたことは、自己のIP化、キャラクター化なんです。
DreamCore における「盛れる」もそう。自分自身をゲームのキャラクターにしてしまう。実写以外の方法で、自己表現が手軽に可能になる。「自分っぽさ」が強調されて、それが反応を呼び、話題になる。
── 「自分のIP化」を具体的に教えてください。
「こういうゲームを作る人」として認識されるペルソナの確立。作品が自分の分身になって「自分らしさ」を伝える媒体になる。続けていけばファンがつく。最終的には収益化もできる。
つまり、ゲームを通じて自分自身がキャラクターになり、ブランドになっていく。それが DreamCore で実現したい「盛れる」です。
「わかってる」クリエイター
── ゲームを作っている人を見て、「この人わかってるな」と思う瞬間ってありますか?
ありますね。
── どんな人ですか?
誰かのために作っている人。特定の誰か、仲間、あるいはまだ見ぬ誰か。顔が浮かぶ相手に向けて作っている人は、やっぱり強い。
あとは、自分を出している人。完成させる人。楽しんでいる人。そして短く作る人。
これが DreamCore における「わかってる」クリエイターの特徴だと思います。
Remixという名の会話
── プリクラは「一緒に撮る」から楽しい。DreamCore ではどう代替しますか?
いくつかあります。
Remix で会話。誰かの作品を見て「自分ならこうする」とリミックスする。返歌のようなものです。
遊んでもらう。自分が作ったものを誰かが遊んでくれる喜び。
反応をもらう。いいねやコメントで繋がる。
お題で競う。同じテーマでそれぞれが作って、見せ合う。
リアルタイムで一緒に作るわけじゃないけど、作品を通じた非同期のコミュニケーションが生まれる。それが DreamCore の「一緒に」です。
実際、DreamCore のクリエイター同士で Remix し合ったり、感想を言い合ったりしているのを見ています。
TikTokとの決定的な違い
── TikTok やプリクラとの決定的な違いは何ですか?
インタラクティブ性です。
TikTok は見る。プリクラは見る。でもゲームは遊ぶ。受け手が能動的に体験する。ルールがあって、勝ち負けや目的がある。そして作品が残り、継続的に遊ばれる。
ただ消費されるコンテンツじゃなく、体験として残る。これがゲームならではの強みです。
AI は「パートナー」
── DreamCore は AI を活用していますが、AI の使い方についての哲学は?
AI は「完璧な指示を要求するツール」ではなく、**「一緒に考えてくれるパートナー」**だと思っています。
ユーザーの意図を汲み取る。曖昧な指示でも理解してくれる。適当でも OK。完璧な指示がなくても動く。そういう体験を目指しています。
── 技術的な優先順位はどう考えていますか?
1番はスピード。生成やレスポンスの速さが UX の核心です。2番は安定性。クラッシュしない信頼性。3番はスケーラビリティ。大量ユーザーに対応できる設計。この順番で考えています。
5年後のビジョン
── 5年後、DreamCore はどうなっていたいですか?
3つの姿を目指しています。
まず、世界中のクリエイターが使うプラットフォーム。言語や地域を超えて。
次に、新しいゲームカルチャーの発信地。DreamCore 発のヒットゲームが生まれる場所に。
そして、ゲームビジネスの破壊的イノベーション。ゲーム制作コストを限りなくゼロに。「稼ぐ必要がないゲーム」が大量に生まれる。ビジネスモデル上ありえなかったゲームが出現する。そんな世界を作りたい。
ゲームが「新しい言語」になる世界
── 「ゲームを作ることがコミュニケーション」が当たり前になった世界では、人々の生活はどう変わりますか?
ゲームが新しい言語になると思っています。文字や動画のように、ゲームが表現手段のひとつになる。
記憶の保存方法も変わる。写真やアルバムのように、思い出をゲームで残す文化が生まれるかもしれない。
商業を超えたゲームが大量に生まれる。売るためじゃない、伝えるためのゲーム。内輪ネタのゲーム。記念日のゲーム。
そして、クリエイターの爆発的な増加。今は「ゲームを作る人」は特別な存在。でも将来は、誰もがクリエイターである世界になる。
クリエイターへのメッセージ
── 最後に、DreamCore を使っている人に伝えたいことは?
楽しんで。完成させて。シェアして。自由に。
この4つです。
難しく考えなくていい。完璧じゃなくていい。誰かに見せたくなったら、それが一番いいタイミング。
「夢をゲームにする」。この言葉を体現できるプラットフォームを、これからも作り続けていきます。
── ありがとうございました。
こちらこそ。
インタビュー: 2026年2月